どうも、外資系企業でITコンサルタントして働いているK(@consult_career1)です
今日、Twitterに設定している質問箱にこんな質問がきていました。

せっかくいただいたここまでの長文質問を、適当に返すわけにもいかないので記事にしました笑
僕自身入社後はSE、コンサルどちらのロールもこなしているので、これらの経験をもとに回答していきたいと思います。
まずはじめに、この質問をされた方の現状と疑問を整理すると以下の通りです。
【質問者はこんな人】
・SE(システムエンジニア)として就職予定の大学生
・本当はITコンサルに就職したかった
・将来的にはSE(下流)からITコンサル(上流)にジョブチェンジしたい
【質問者の4つの疑問】
①SEからITコンサルへの転職は可能か?
②SEからITコンサルへの社内異動は可能か?
③1~2年でITコンサルへ移動したい場合、その期間のSE職の経験は履歴書でアピールできるような経験になるか?
④仮にITコンサルへと転職できたとしても、SEと同じような業務内容しか任されないのではないか?
というわけで、これら4つの疑問についてそれぞれ回答していきます。
また、今回の回答は僕が在籍しているファームの経験が軸になっているため、あくまで1サンプルとして参考にしてくださいね。
ここ書いてる意味わかんねー。とかあったら遠慮せずDMください。質問箱でもよいです。
ITコンサルタントとSE(システムエンジニア)の役割の定義
と、その前に、まずはITコンサルタントとSEの役割の違いに対する認識を合わせておきましょう。(業務領域が似通ってるゆえ、混同されがちなので・・・)
ITコンサルタントもSEも、「新システムを導入する(システム開発)ことでクライアントの経営課題を解決する」という大目的は変わりません。
ただし、その中で担う役割が違います。
まとめるとこんな感じです。厳密にいうと開発はプログラマーの役割ですが、SEでも担当することがあるので含めています。
読んでもよくわからない!という方は、ざっくり「ITコンサル=構想練る人」、「SE=成果物作る人」って捉えといてください。笑
役割 | 説明 | |
ITコンサル | 提案 | クライアントが抱える課題に対し、ITソリューション(システム開発)を提案。 |
プロジェクト推進(PMO) | 開発プロジェクト全体の課題・進捗管理。上層部へ状況報告を行う。 | |
要件定義 | クライアントの業務要望をどうシステム化するか決める。 | |
SE | 設計 | 要件定義書を元にシステムの設計書を作る。 |
開発(プログラミング) | 設計書を元にプログラム(アプリ)を作る。 | |
テスト | プログラム(アプリ)が正常に動くことを確認する。 | |
移行 | 完成したシステムを世にリリース(公開)する |
※それぞれ役割の詳細は今回は割愛します。いつか記事にします。
ここから4つの質問に答えていきますが、まずはこの役割の違いを前提とし、念頭においといてください。
①SEからITコンサルへ転職は可能か?
結論としては、もちろん可能です。
なぜなら、SEとして身に着けたITナレッジは、モロにITコンサルタントとしての仕事内容に活きるからです。コンサルタントを採用している会社もそのようなIT人材を欲しています。
事実、僕は現在コンサルプロジェクトにアサインされていますが、SE出身の転職組が半数近くを占めています。
そもそも一般的にSIerと呼ばれようなIT企業(富士通とかNTTDデータとか)では、以下のステップでキャリアを歩むのが一般的です。
テスター⇒プログラマー⇒SE(システムエンジニア)⇒PM(プロジェクトマネージャー)or ITコンサル
要は、若手の内は開発の現場(下流)で経験を積み、徐々に上流工程にシフトしていくというわけです。
SEからITコンサルへの転職とは、このシフト先が社内から社外へ変わるだけの話です。
②SEからITコンサルへのトランスファー(異動)は可能か?
結論としては、自ら動けば可能です。
社内異動を希望する際は、転職と同様で社内面接(面談)が設けられているのが一般的です。
ITコンサルタントはSEと比べてクライアントに支払われる月単価が高額のため、その単価に見合った人材であると社内的に認めてもらう必要があります。(これは転職でも同じ話ですが)
もし異動を希望するのであれば、希望する部署のマネージャーとのコネクションは作っておきましょう。推薦を受けることができれば、ほぼ間違いなく異動可能です。
コンサルファームにおけるマネージャーの裁量権は非常に大きいです。事実、新卒・中途の採用面接も人事ではなくマネージャーが出陣しますからね。
③1~2年でITコンサルへ移動したい場合、その期間のSE職の経験は履歴書でアピールできるような経験になるか?
結論としては、アピールになります。
ただし、アサインされてきたプロジェクトによってそのアピール度合いは変わります。
ITコンサルタントはプロジェクト全体を俯瞰してみる必要があることに加え、議事録作成・報告資料作成など業務も多岐に渡るため、ジェネラリスト的な側面が強いです。
一方、SEは自分の専門領域を作りスキルを尖らせた方が、バリューを発揮しやすいです。(javaできます、とかDBマスターです、とか)
よって、1~2年といった短スパンでの転職(社内異動)を考えているのであれば、できるだけジェネラリストな履歴書を書けるようになることを目指すのがオススメです。
具体的に言うと、上述した以下のSEの役割をできる限り幅広く経験できるよう、プロジェクトを希望・選択するとよいです。
役割 | 説明 | |
SE | 設計 | 要件定義書を元にシステムの設計書を作る。 |
開発(プログラミング) | 設計書を元にプログラム(アプリ)を作る。 | |
テスト | プログラム(アプリ)が正常に動くことを確認する。 | |
移行 | 完成したシステムを世にリリース(公開)する |
設計できます(軽く)、プログラミング書けます(軽く)、テストでバグ特定できます(軽く)、移行でシステムリリースできます。(軽く)
こうなれればベストですね。
広く浅く全体像を理解できているという点がポイントです。
むしろこの経験ができるのは、SE職で入社する大きなメリットですよ。
僕自身、昨年は自ら希望して、SEロールを経験させてもらってました。
ぶっちゃけ、開発経験なしでITコンサルやる方がつらいです。
④仮にITコンサルへと転職できたとしても、SEと同じような業務内容しか任されないのではないか。
結論としては、Noです。
なぜなら、ITコンサルタント職にSE職と同様の仕事を振っていては会社として損だからです。
上述したように、ITコンサルタントとSEでは役割が異なります。そして、クライアントから受け取る単価も異なります。
つまり、必然的に会社としては、求められる役割や単価に見合った適切な人材をアサインすることとなるわけです。
ただし、上流よりのSEとITコンサルタントの業務内容が一部被ることがあるのも事実です。
「SE的な仕事にはもう触れたくない!業務的な観点でコンサルしたい!」
とのことであれば、入社後、業務よりのコンサルを目指すといいかもしれません。
ITコンサルタントは大きく次の2パターンにわかれると言えます。
入社後希望すれば、①よりのプロジェクトに参画することもできます。SEで身に着けた強みは活かしづらくなってはしまいますが、、
①業務的な知見に強みのあるITコンサルタント
これは事業会社からの転職者に多いパターンです。(証券だったり、メーカーだったり色んな業界)
プロパーであれば、同じクライアントを担当し続けているメンバはこうなりますね。
業務の要件を熟知した上で、システム導入を提案できるのが強みです。
②システム的な知見に強みのあるITコンサルタント
これはシステム会社からの転職者(SE)に多いパターンです。
プロパーであれば、若手の内に開発経験を積ませてもらったり、SEから社内異動してきたメンバですね。
システムの中身をわかっているので、クライアントとも開発者とも円滑なコミニケーションをとれることが強みです。
最後に:「下流を知った上で、上流を目指す」というキャリア志向は王道です。
いま考えていらっしゃる「下流を知った上で、上流を目指す」というキャリア志向はThe王道なので、その考え方に自信を持ってください。
SEとしてのシステム開発の経験は、ITコンサルタントとしての仕事内容に10000%活きます。
また、ここからは個人的な考えですが、、
あなたが今、SEとしての入社が決まったのなら、②システム的な知見に強みのあるITコンサルタントを目指す絶好のチャンスを得た、と捉えた方がいいと思いますよ。(僕自身も②を目指しています。)
システム開発を知らないITコンサルタントの提言なんて、ただの絵にかいた牡丹餅です。
「テクノロジーを武器にコンサルティングを行う」、そんなコンサルタントを目指すのも一つの選択肢です。
大学生の内からでも、資料作成スキル(エクセル・パワポ)やプログラミングスキルなら事前に磨いておくことができるので、是非早めにキャッチアップを試みてくださいね。
応援してます。
※就職前でも勉強できるスキルはこちらの記事でもまとめているので、参考にしてみてください。
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